何の気なしに始めたことだった。おなかの子に自分の声を聞かせたくて、でも、話しかけるのは恥ずかしくて、毎日、絵本を声を出して読んでいた。
別に本好きの子に育てたいわけでも、私自身が本好きなわけでもないが、子どもが生まれてからも、夜寝る前に必ず1冊読んで寝るのが自然とわが家の習慣になった。
兄弟でそれぞれ1冊ずつ、合計2冊を読んで、なんとなく感じたことを話して、電気を消して、なんとなく一日の出来事や思いを話して、いつのまにか寝る。その時間が心地よい。
「てるちゃんのかお」という絵本を読んだ次の日に新聞にその特集が出ていたり、読み聞かせをしていて、いろいろな驚きや偶然は多い。子どもたちも字はいつの間にか読み書きできるようになった。
そして、私自身も、幼稚園でお話会をやるようになり、ついには小学校の図書室で働くようになった。本と私の不思議なつながりを感じる。
子どもたちも1年生と3年生になった。当然、自分でも、もう読める。寝る前の本も、1晩では終わらないものになってきた。
周りの友達は、ほとんど1人で寝ているが、息子たちは寝る前の儀式をまだやめられないらしい。
もうやめるべきか、悩んだことも多少あったが、この心地よい時間を過ごせるのも、あと数年……。
自然となくなる、その時まで、と思っている。
椿山荘 風鈴
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(from @pavillonrouge on Streamzoo)